今年選択したコンクール課題曲についてアナリーゼまで読み込んだ時点で感じたことを書いてみました。
但し、これらは自分の為であるのが本音です。書けば尚覚えが良くなるよくある勉強と一緒です。
【課題曲V】  「あの丘をこえて」・・・・・・ 星谷丈生・作曲 
作曲者のコメント
題名は、この曲の前向きで明るい雰囲気を考慮して曲が完成した後に付けられたものです。
全体は、主に(A)の部分からクラリネットによって歌われる旋律と、その変形によって統一されています。繰り返し出てくるこの音形を、それぞれの場面でその性格に応じて吹き分けるように心がけて下さい。特に全体の構成を考えて各部分の役割を考えることが必要になります。その意味で、曲を通しての調の関係と和声感を意識するといいと思います。楽しい演奏を期待しています。
上記から”調性”の関連と和声感、そして各場面のキャラクターを適切にアナリーゼする必要がある点が大事である事が解ります。どの曲でもそうですが、まずは作品の構造をきちんと理解する事が大切です。
調性について
調性には、関係の近い親戚のような調があります。
右記はこの曲に合わせた近親調を記したものです。
5度上or下の調性が使われるのは古典の定石でした。但し中間部で使われている変イ長調は少しだけ遠縁の様な調性です。
属調の主和音(F−AーC)にはBの半音前の導音が含まれており、Bの主和音に向かうエネルギーがありますので、ヘ調で書かれている箇所は次に向かって行くエネルギーの働く箇所と言えます。(それこそが調性音楽のエネルギーです)
とにもかくにも、まずは調性の関係とその役割をある程度は理解した上で総譜を読む方が得られる情報は多くなります。
詳細
前半(開始〜Dの前まで) 後半(D〔Trio〕〜曲終) 演奏について