大盛況 終了
1部
◆グスターヴ・ホルスト作曲
第2組曲ヘ長調 op.21b
1911年に作曲されたこの作品は、全ての楽章に民謡を用いて作曲された陽気で快活な作品です。
5曲から成るいずれの楽章にも魅力的なイギリスの民謡が用いられています。傑作第1組曲同様に
吹奏楽の為に書かれた名品です。
◆リヒャルト・ワーグナー作曲
舞台神聖祝典劇「パルジファル」より「聖金曜日の音楽」
大作曲家ワーグナー晩年のオペラ「パルジファル」は、スペインを舞台に聖杯守護を司る王が受けた傷を
癒すために現れたパルジファルを巡るお話です。今回演奏する「聖金曜日の音楽」は、清められた
パルジファルの力により森が呪いから解かれ輝き出す奇跡の場面の舞台転換音楽です。
◆原嘉壽子作曲
「岩長幻想」・・・オペラ「岩長姫」より、序奏、 酒の歌とオロチ狂乱
江戸時代は元禄期に活躍した浄瑠璃作家近松門左衛門の「日本振袖始」を原作とした現代オペラ
「岩長姫」の音楽の中から抜粋して書かれたのがこの作品です。お話は醜い容姿の為に恋に破れる
岩長姫の嫉妬を軸に、スサノオオノミコトと稲田姫の恋を絡めたものです。
演奏するのはオペラの序奏と、岩長姫の女性らしさを表現した「酒の歌」、嫉妬の怨念から
ヤマタノオロチと化した岩長姫との大立ち回りの場面の「オロチ狂乱」です。
主に神楽音楽の手法を用いて書かれている作品です。
2部
◆レナード・バーンスイタイン作曲 イアン・ポルスター編曲
交響的舞曲(「ウエスト・サイド・ストーリー」より)
ニューヨークの下町で対立する二つの不良グループを背景に恋に落ちるトニーとマリアの悲恋
を描いた現代の「ロメオとジュリエット」と言える筋のミュージカルは名指揮者でもあった
バーンスタイン最大のヒット作です。ここでは4つの曲による抜粋の形で演奏します。
1/スケルツォ(登場直後のマリアが踊る可愛らしいダンス)
2/マンボ(ダンスパーティーのシーンで全員が踊るシーンの音楽)
3チャ・チャ(出会って一目惚れし合うトニーとマリアが二人で踊るダンス曲)
4/フーガ(「クール」と題されていた不良グループの歌う舞曲)
◆2003年度課題曲より2曲
◆アルフレッド・リード作曲
「オセロ」〜5つの場面による吹奏楽のための交響的描写
シェークスピアの名作悲劇として名高い「オセロ」からの5つのシーンの雰囲気を音楽で
表現した組曲で1977年に作曲され米国イサカ大学バンドにより初演されました。
第1曲「前奏曲」は主人公が軍人と言う点からの緊張と軍隊的雰囲気を司っています。
第2曲「朝の音楽」は第3幕でオセロと妻デズデモナの寝室の窓辺で町の音楽家が奏でる
セレナーデです。「おはよう将軍」という副題が付けられています。
第3曲「オセロとデズデモナ」は情熱的かつ慈愛に満ちた二人の関係を表現しています。
第4曲「廷臣達の入場」は副官イヤーゴの罠により妻デズデモナの浮気を疑ったオセロが
彼を讃える人々の前でデズデモナを殴る場面の印象による音楽です。
第5曲「デズデモナの死、終曲」は遂に妻デズデモナを殺害したものの、イヤーゴにより
それが罠であったことを知り絶望に打ちひしがれる情景の音楽です。ここではオセロが
妻の亡骸に語りかける「わしはそなたを殺す前にキスした。今はもうこの他に道は無い」
のセリフに基づいています。それまでの4曲の総まとめの様な音楽でもあります。
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