第21回定期演奏会

  • 日時:2001.12.09(日)
  • 開場:13:00 開演:13:30
  • 場所:チトセピアホール
  • 入場料:500円(前売り・当日/共同じ)



・当日はたくさんの皆さんに起こしいただきまことにありがとうございました。
・次回演奏会は、2002年04月28日(日)チトセピアホールです。



演奏曲目

【Japanese Wind Music〜日本人による吹奏楽作品集】


T・風紋(課題曲版)
作曲:保科 洋
U・雲のコラージュ(改訂版)
作曲:櫛田 月矢之扶
V・遮光の反映
作曲:中橋 愛生
休憩15分
 
W・稲穂の波
作曲:福島 弘和
X・吹奏楽の為の"エヴォカシオン" ...
   ..または呼びさまされた記憶
作曲:稲村穣司
Y・大阪俗謡による幻想曲
作曲:大栗 裕

第21回定期演奏会〜PROGRAMについて
平成13年12月9日 長崎チトセピア内アマデウスホール
今まで私が未着手だった重要なレパートリーが日本人の作曲家の作品群です。アメリカのBANDがアメリカ人の作曲家のみによる演奏会を催すのは普通の事であるのと同様に、私達の自国の作品のみで演奏会を組むのも本来普通の事のはずです。又、吹奏楽ではその数に於いてアマチュアが中心であることは明白です。ならなそのアマチュアが積極的に自国の作品を取り上げていかないと同国人の作曲家による創作も旺盛にならないのは自明の理です。
今回のプログラムは私の念願であった内容であり、今後も続けていくべき物と考えています。
風紋 (保科 洋)
1997年度のコンクール課題曲として作曲された人気の高い作品です。作曲者の保科洋さんは「古祀」「カタストロフィ」等で知られる方で、極めて叙情的な吹奏楽作品群が印象的です。
曲名の「風紋」とは、風によって、海岸や砂漠などの砂地の表面にできる模様の事を指します。曲は美麗な旋律をまといつつ、風が砂地に微妙な紋様を刻み込んでいくようにそぞろにスピーディーに流れていく作風です。この作品は1999年になって「原典版」として拡充したヴァージョンが発表されましたが、今回は私の考えにより「課題曲版」で演奏します。
〔参考〕・・・・風紋の写真
《作曲者の詳細はこちらで》
雲のコラージュ【改訂版】 (櫛田 朕之扶)
作曲者の櫛田朕之扶さんは1935年の京都生まれ。京都教育大学で数学を専攻しながら私的に音楽を学び、1969年の「飛鳥」で幅広く知られる様になりました。邦楽の家に生まれたのが影響した極めて民族色の濃い作品群が特色です。
「雲のコラージュ」は1994年度の吹奏楽コンクール課題曲として作曲されました。そこでは小編成のBANDに考慮し、空欄のパート楽譜を設定する事により小編成BANDではそのまま演奏できるように、又一方では自由なアレンジを促しました。しかしその為に困惑し裏付けの無いアレンジメントによる演奏が多かったのも事実です。
作品は、「雲」をテーマにその時々の変化を色彩的に描いた極めて印象主義的な作品です。
以下連盟会報「すいそうがく」掲載の作曲者のコメント・・・・
この曲は「雲」を主題にした戯曲です。場面場面のイメージは音符に書かれていますが、音楽だけに随分抽象的です。この戯曲にはセリフ(=音譜)はあるのですが、ト書きがありません。イメージを広げ、演出を考え、素晴らしい感性のドラマを創って下さい
遮光の反映 (中橋 愛生)
作曲者は20代前半の若い方なのですが、まずはこのような挑戦的かつアマチュアに配慮された極めて希有な作品が生まれたことを心から喜んでいます。別項で書いていますので詳細は割愛しますが、いわゆる”現代音楽”なのですが色彩(=音響)の変化、力強い推進力だけ捉えてもこの作品は十分に魅力に溢れた逸品です。初演指揮者としても一人でも多くの方のお耳に触れて欲しい作品と思いを込めざるを得ません。
《作曲者の詳細はこちらで。作品についての詳細なコメントもあります》
IMAGE: 遮光の反映  視聴!  ○冒頭   139小節目〜
稲穂の波 (福島 弘和)
1998年度の吹奏楽コンクールの課題曲として作曲されたこの作品の主題は、作曲者が幼少より親しんだ日本の田舎の田園風景です。四季で移り変わる風景の変化が音楽として描かれていく、どちらかと言うと感覚的な音楽です。私は指揮に関して課題の多いこの作品に一目惚れしてしまい当時課題曲として選びました。その後福島さんの作品への思いは2000年度の課題曲「道祖神の詩」と言う作品で再燃。私はこの方の作品には心から共感を覚えてしまうのです。
《作曲者の詳細はこちらで》
吹奏楽の為の「エヴォカシオン」
  
・・・または呼びさまされた記憶 (稲村 穣二)
私が指揮した過去の課題曲の中で1997年度の「ラ・マルシュ」はとりわけ印象的なマーチでした。作曲者の稲村穣二さんとは頂いたMAILがきっかけでやりとりをするようになったのですが、そのやりとりの中で伺ったお話が縁で今回演奏する事が叶いました。
この曲は顧問である兵庫県小野高校吹奏楽部の為に作曲。2000年3月に初演後夏のコンクール自由曲としても演奏されました。
内容としては、1996年の日本が誇る作曲家武満徹氏の死に対する衝撃と、亡くなる直前の「ファミリー・ツリー」と言う作品からのインスピレーションで書かれています。「ハッピーバースデイ・トゥ・ユー」の動機を中心に用い、揺れ動く作曲者の心の動きが曲想に反映されている作品です。
《作曲者の詳細はこちらで。》
大阪俗謡による幻想曲 (大栗 裕)
大阪フィルのホルン奏者としても活躍していた大栗裕さんがこの作品に着手するきっかけとなったのは、常任指揮者の朝比奈隆さんの欧州楽旅に際しベルリンフィルからの法人作品持参の要請でした。1955年に管弦楽曲として書かれ、ウイーン・トーンキュンストラー管弦楽団で初演ベルリンフィルとの演奏共に絶賛されされました。その後大阪音楽団からの依頼により1974年に吹奏楽用に改編されたものです。作曲に当たって大栗裕さんは、幼少の頃から親しんでいた大阪天満宮や生国魂神社のお囃子(おはやし)を思い出しながら(そのまま用いているのではない)自由に作曲の素材として用いた作品に仕上げています。
曲はまずアンダンテの序奏で開始されます。神楽鈴が厳かに響くまるで神社の神事の如き雰囲気であります。しばらくするとゆったりと静まりアレグロの主部に入ります。まず耳に飛び込んでくるのは当たり鉦(チャンチキ)による天神祭りの地車囃子(だんじりばやし)のリズムです。その後ののどかな旋律は作曲者オリジナルのもの。さらにその後ピッコロによるお囃子が聴かれるのは生国魂神社の獅子舞に使われているお囃子です。曲はさらに少々センチメンタルな間奏的な部分を経て、再び前半のアレグロで聴かれた各モティーフが再現されながら、最後はプレストで獅子舞のお囃子で盛り上げた後地車囃子で急速にテンポを加速させ全曲を締めくくります。
〔参考〕天神祭りの風景・・・(ここから
     生国魂神社の夏祭り・・・獅子舞獅子舞お囃子生国魂神社
《作曲者の詳細はこちらで。》


・記載情報は常時変更していきます。
・演奏曲目は、諸事情により変更になる場合があります。

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